幕府の運命に限りはあるとも、
日本の運命には限りがない
東善寺前住職村上照賢描画
幕末、尊王攘夷が吹き荒れる逆風の中、誰よりも日本の未来を見据え、一切の私利私欲なく日本の近代化のために尽くし、非業の死を遂げた幕臣がいた。
後年、首相を務めた大隈重信は「明治の近代化はほとんど小栗上野介の構想の模倣に過ぎない」と語り、日本海海戦でロシアバルチック艦隊を破った連合艦隊司令長官東郷平八郎もまた、「日本海海戦の勝利は小栗さんが横須賀製鉄所を建設したおかげ」と、小栗の子孫を自宅に招き謝意を表した。
その延長線に生きる現代の日本人に、彼の生き様を、日本への想いを知ってもらいたい。
また、彼の生き様は「どのように生きるべきなのか」不透明なこの時代における指針として、現代の日本人に大切なことを教えてくれると信じている。